世界中から注目されるミャンマーのコーヒー
ミャンマーは東南アジア(タイ・インド・中国と国境を接する)の亜熱帯気候に位置し、良質なコーヒーが栽培できるコーヒベルト(赤道から南北25度)にほぼ全土が収まります。また2,000mを超える山々が連なり、肥沃な土壌で質の高いアラビカ種のコーヒーが栽培されています。
近年の民主化によりアジア最後のフロンティアともよばれ経済的にも目覚ましい発展を続けています。
もともと質の高かったミャンマーのコーヒー豆は、近年の更なる栽培技術の進歩と丁寧な仕事による品質の高さで、世界の珈琲業界の注目を浴びています。
AUNG COFFEEでは直接生産地に出向き、生産者と直接コミュニケーションをとりながら
クオリティの高いコーヒーのみを生豆のまま独自に仕入れています。
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ミャンマーのコーヒーとは
最近、ミャンマーのコーヒーが注目されてきています。
実はミャンマーでのコーヒーの生産の歴史は古く、イギリス植民地時代の1885年に宣教師によって伝わったとされています。
ミャンマーは四方を標高の高い山々に囲まれており、質の高いアラビカ種のコーヒーを栽培できる土壌があると言われていますが、
栽培技術も高くなく、そもそもイギリスの植民地時代の名残からお茶(ミルクティー)を飲む文化が根付いていて、
これまでの閉鎖的な国政の事情もあり、あまり活発ではなかったそう。
しかし、最近では海外のNGO団体からの技術支援もあり、コーヒー豆のクオリティが上がってきて注目を浴びるようになりました。
・イギリスの統治が始まった1885年に、宣教師によってMyeikとDaweiにて栽培が始まった。
・カチン州(Thaung Daung地区)にてコーヒー農家がロブスタ種のコーヒーの栽培を始めた。
・1930年にカトリック宣教師がアラビカ種コーヒーをシャン州に紹介した。(Pyin Oo Lwinピンウールウィン)
・1930年から1934年にかけて120エーカーのコーヒー農園(Chaungwe)がシャン州北部のナウンチョーに作られた。
・1935/6年には268トンのコーヒーを生産、175トンが輸出され108トンが焙煎された。
・1998年に100,000エーカーまでコーヒーの栽培を拡張する方針を定めた。
・栽培に適したエリアとして、マンダレー管区(ピンウールウィン地区)とシャン州北部(ナウンチョー地区)が選定された。
・2005年には35,485エーカーの農園にてコーヒーが栽培されている
(参考:)http://www.myanmarcoffeeassociation.org/
注目のコーヒー栽培エリアのピンウールウィン(メイミョー)とユワーガン
最近、ミャンマーのアラビカ種コーヒーとして注目を浴びているのは、マンダレー州のピンウールウィンとシャン州のユワーガンです。
■ピンウールウィン(メイミョー)
ピンウールウィンはメイミョーとも言われ、イギリス植民地時代の避暑地として栄えた趣のある街です。
標高は1000mくらいの高原で、珈琲に限らず高原農業が盛んです。
ピンウールウィンにはMyanmar Coffee AssociationやMandalay Cofffee Groupの拠点もあり、ミャンマーコーヒーの中心地といっても良いでしょう。
スーパーでよく見かけるSHITAR Coffeeもピンウールウインが拠点です。
シャン州に近いですが、マンダレー州に位置しています。
この地域のコーヒーは日本にも輸出されており、日本国内で入手できるミャンマーコーヒーはおそらくピンウールウィンのコーヒーでしょう。
どちらかというとコマーシャルコーヒーの生産が多いようです。
■ユワンガン
最近、注目されてきているのがシャン州のユワンガンのコーヒーです。
ヤンゴンのスーパーでよく見かけるGeniusコーヒーの拠点でもあります。
ピンウールウィンよりも標高が高く、質の高いアラビカ種が栽培されています。
また、WINROCKやUSAIDなどのNGOのサポートもあり、珈琲の生産量も増加しているエリアですので今後ますます注目です。
ユワンガン地区は広大で、北部・中部・南部とそれぞれの農家がコミュニティをつくって生産しており、
ユワンガン産のコーヒーは、それぞれの村々のマイクロロットごとにその品質を競いあっています。
近年、世界中に輸出されるようになったスペシャルティコーヒーはユワンガン産のものと言えるでしょう。
新たに注目の産地
■モーゴック
モーゴックは世界的に知られた高級ルビーの産地です。
近年このモーゴウで生産されるコーヒーが注目をあびてきました。この3年間でカッピングコンテストの上位の常連となり、
優勝を果たしたことも。
また、ナチュラルだけではなくウォッシュやハニーなど新たな試みを続けています。
他の地域のコーヒーとは異なり、カティモール種を主に生産しています。
高地でゆっくりと育ったコーヒー豆は、独特な風味をたくわえます。
■ホーポン
ホーポンはシャン州の州都タウンジーから東に1時間程度の山あいの町。
ここはパオ族が多く住み、パオ自治区の中心都市のひとつです。
平地から起伏のある山々がそびえたち、日中と夜とで寒暖差の激しいコーヒー栽培に向いた地形があります。
このホーポン地区のコーヒーは、ナチュラル部門で毎年優勝するなど新たな注目の産地です。
■ピンラウン
ピンラウンはインレー湖の南に位置し、お茶や野菜の栽培が盛んです。
ここもパオ自治区の中心町のひとつです。ミャンマー人からも
ピンラウンのお茶や野菜はおいしいと評判の地域。
ピンラウンの農園でとれたコーヒーも、ウォッシュ・ハニー部門で優勝するなど注目を浴びています。
●ミャンマーコーヒーの今後
ピンウールウィンやユワンガンなどではコーヒー会社による生産が合理化され、生産量が向上しています。
一方、あらたなコーヒーの産地では丁寧な栽培により少量ながら世界レベルの品質のコーヒーが誕生しています。
世界のコーヒー生産量。ミャンマーは?
(参考:)FAO(Food and Agriculture Organization)
ミャンマーのコーヒー生産量は2016年のデータで8474tで世界39位。
隣国のタイと比べても1/4程度と、より栽培に適した土地がありながら生産量は東南アジアの中でも低い水準である。
東南アジアの中でも、自国の文化としてコーヒーを飲む習慣があるベトナムとインドネシアはずば抜けて生産量が高い。
今後、ミャンマーでの生産量を増やしていくには国内での消費を増やしていく必要があると思う。
ミャンマーのコーヒーの産地
少しデータが古いですが、各州ごとの生産量は以下の順です。
北部、シャン州の生産が多く、最近では標高の高い山々のあるチン州のコーヒー栽培も盛んになってきています。
北シャンのコーヒはあまり市場に出回っていなく、おそらく中国へ輸出されているものと思われます。
ミャンマー人のコーヒーの飲み方とミルクティー
もともと、イギリスの植民地で会ったこともあり、ミャンマーはコーヒーよりも紅茶を飲む習慣のが多いです。
街中にはラペイエサインというミルクティーを出す喫茶店があり、人々で賑わっています。
コーヒーを注文するとインスタントのネスカフェだったり、というくらいあまりコーヒーを飲む習慣は定着していません。
また、コーヒーの飲み方も独特で、コーヒーの中にライムやレモンを入れて飲みます。
シャン州ではメイミョーナコーヒーといわれる、コンデンスミルクをたっぷり入れた濃いめのコーヒーを好んで飲みます。
そのためかスーパーで売られているコーヒーは基本的に深煎り。そして、かなり細かくグラインドされています。